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YUTAKA SHOJI MALAYSIA SDN.BHD

パーム油先物取引仲介・リスクヘッジの現地法人
YUTAKA SHOJI MALAYSIA SDN.BHDを設立

 商品先物取引の受託業者大手であり、業界の老舗として知られる豊商事㈱(安成政文社長・東京)がマレーシアにパーム油の先物取引を仲介する現地法人YUTAKA SHOJI MALAYSIA SDN.BHDを設立した。同社としては主にゴムを取り扱うシンガポール法人に次ぐ海外拠点だ。

商社など日系企業が先物取引においてリスクヘッジするニーズを取り込む。また、現地法人としての強みをいかして顧客への情報提供、特に環境を切り口にした情報を提供することで、バイオマス燃料やRSPO認証で大きな需要拡大が期待されるパーム油市場の将来性に関与する方針だ。

将来的には現地顧客をふくめた金融商品の仲介など取り扱い分野をひろげることも検討している。現地責任者(Managing Director)の森田剛氏にその狙いと体制を聞いた。

豊商事が今回マレーシアに現地法人を開設した理由はどのようなものでしょうか。

A

豊商事はおよそ60年間日本国内で先物仲介をおこなってきましたが、日本の先物市場は先細りの見通しが強い。弊社としては海外に経済的な競争力をもった市場をもとめる時期にありました。シンガポール社が14年間にわたって蓄積したノウハウもありました。

パーム油市場に出た理由は?

A

将来の食糧事情を見ると、世界の人口増加が発展途上国を中心に続くなか、食糧問題の解決のうえでパーム油が占める位置づけがきわめて高いと判断しました。食用、化学品原料、さらにバイオマス燃料用として需要のすそ野が広い。

またオイル・パームは樹木系であり、そこから生産される油脂は非常に競争力の高いものです。将来の人口増加とそれにともなう食糧危機においてきわめて有力な解決策になる作物だと考えています。このようなパーム油の将来性を取り込みたいと考えたとき、パーム油の生産と情報の拠点であるマレーシアに現地法人を持つことが重要でした。

パーム油については環境やRSPOの位置づけ
などでネガティブな評価もありますが。

A

森林伐採の問題などが提起されていることは承知しています。それにともなって、アフリカ諸国にパーム油農園の開発が進んでいるようです。私も個人的にフィリピンのピナツボ火山噴火による降灰地での農業再生に取り組んだ経験があります。またサトウキビの搾りかすが廃棄物という扱いからクリーンエネルギー原料に大変身した過程をつぶさに見てきました。そのような経験から考えますと、パーム油産業はむしろバイオなど未来の用途開発の可能性が高い。たとえばPKS(パームやし殻)がバイオマス燃料用途で世界的に注目されていますし、EFB(パームやし空果房)のペレット化も進んでいます。パーム油メチルエステルから出る残さ液の回収利用や、メタン発酵発電、さらにメタン発酵消化液による鉱山跡地の再生なども研究が進んでいると聞きます。

これはパーム油産業が豊かな「コプロ」、すなわち「CO-PRODUCTS」のすそ野を持っているということです。「コプロ」とは「バイプロ」=副産物という概念に対置した考えであり、主製品に従属したものではなく、主製品と同様の価値をもった併産品という意味合いを持つ概念です。現在のRSPOのルールは新たな森林破壊を防ぐことが目的だと思いますが、「コプロ」の思想はより経済性のある環境対策につながるものと思います。パーム油産業はその意味で環境対策の原点をかたちづくり多様な可能性を持った産業であると考えています。

現地法人ができることでどのようなサービスが提供できるのでしょうか。

A

まず、取引上について言えば、為替管理が日本で一元管理することができます。先月シンガポールに新たな取引所APEX(Asia Pacific Exchange)が開設しましたが、ブルサ(マレーシア証券取引所)はリンギット建て、APEXはドル建てと為替が異なります。これをお客様が補償金などでいちいち管理するのは大変です。豊商事ならば東京で一元管理し、東京の窓口で完結させることができます。豊の東京経由ならばブルサ、APEX両方にオーダーを入れることも可能になるでしょう。為替リスクをゼロにはできないにしても最小限にするスキームをつくることが可能です。

第2に、現地の生の情報を収集し皆さまにご提供できるという点です。マレーシア、インドネシアといった生産国の情報のみならず、拡大するバイオ燃料市場の動向、米国大豆、欧州ナタネ、中国、インドなど消費国の動き、環境をめぐる世界の動きなど、これらを単に情報提供というのにとどまらず、現地に人脈、知力のネットワークを築くことで、食料、バイオマス、農業資材、生産機材、流通などアジア各方面からの情報、さらに日本とアジア経済との連携まで、本社と共同して事業の提案、マッチングの提案などをご提供することが可能になります。

そのための体制はどのようにつくられていますか。

A

事務所は現在クアラルンプールの中心地として有名なペトロナス・ツインタワーから目と鼻の先にあるETIQAビル21階にフロアを借りて準備中です。スタッフとしては、過去22年間現地の先物市場で豊かな経験を持つLucyTong女史を現地取締役に迎えることができました。現地采配の前面に立ってもらいます。彼女はJF APEX、AmInvestment、ホンリョン投資銀行、ケナンガ・フューチャーズなどで投資業務経験を積み、証券業開発公社SIDCの審査委員会メンバー、諮問委員会メンバー、ブルサの産業界対話委員会アドバイザーなどを歴任した人物です。海外については私が中心になります。

パーム油産業にはきわめて大きなビジネスチャンスがありそうですね。

A

先物市場を切り口にするのは当然ですが、さらに関連する経済情報など、先物商品を中心に情報発信ができるONE-STOP企業になるべく、人材育成にもとりくんでいく所存です。弊社は皆さまに情報提供、提言、ビジネスのマッチングなどでお役にたちます。

また、オプションなどの先物が活性化してくれば実行できる取引はさらに多くなります。大豆や粗糖などの商品上場の可能性もあるでしょう。東南アジアは世界の人口が集中し、いまもっともアクティブな一大消費地です。パーム油産業をその入り口として、皆様にビジネスチャンスを発見していただくために、我々がすこしでもお手伝いできればと願っています。

世界の人口が集中する東南アジアは、もっともアクティブな一大消費地。
パーム油産業を入り口として、ビジネスチャンスの発見に貢献する。

YUTAKA SHOJI MALAYSIA SDN.BHD
Managing Director

森田 剛

1957年大阪生まれ。京都大学農学部卒。
植物病理学専攻。1981年丸紅入社。
主に砂糖を担当。2017年8月豊商事入社。